交信中

夜空に宇宙人への交信を送る
返信のない途方もない数の信号だ

諦めろんと心の声が響いている
はやぶさの応答は返ってきたが

消息不明になったのは
星の導き手だったのだから
皆が途方に暮れるのも無理はない

だから、誰であれ人を廃人になど
してはいけないと

一人に対する愛は野蛮であると
ニーチェは書いていた*1

それは他の未曽有のものを犠牲に
行われるからだと

じゃ、君、乱交を勧めるというか
それもちょっと

どちらにせよ夜空で飯は食えまい
生活は地上で行われる

そのうち何とか暮らしていたら
ひょっこりふらふら宇宙人
なんてこともあるかもしれない


      *1『善悪の彼岸』ニーチェ著 木場深定訳
岩波文庫 一九七〇・四・十六第一刷 102頁 参照

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